学区夏祭り

毎年この時期は地域(学区)の夏祭りに参加する。

夏祭りに関わり始めたきっかけは、8年前に小学校のPTAに関わりだしてからだ。

8年前、地域の夏祭りがあって、小学校のPTAでも店を出しているということを知った。

この時間帯に来てくださいと、言われるままに祭りに出かけた。PTAの店は駄菓子屋さんでした。
店番を3人ぐらいローテーションで置き、なるべく地域(学区)との関わりは最小限にして、とにかく省力化を図りたい感じがありありだった。要するに面倒くさいことはさっさとアリバイ的に終わらせちゃおうという発想があった。

この時期の祭り会場は人影もまばらになっていた。駄菓子を買いに来る子供の数も少なかった。お祭り自体への参加者が減っていた。大人が出てこない。中高生が出てこない。結局、それぞれのお店同士でお互いの商品を買いあって、商品が余るとお互いのお店に売り込みに行く。スタッフがお客さんもかねなきゃいけない。だからそんなところには関わりたくない。そんな状況でした。

実はこの学区、すべて手作りで夏祭りを始めた。いまでもその伝統は続いている。学区が出来たのは新しく、いまから20年前。最初の10年は夏祭りも勢いがあった。10年を過ぎたあたりからマンネリ化とノルマ化が進行した。毎年同じことをやってりゃいいんだと、新しいことをやろうとしてもつぶそうとする雰囲気が学区の一部には確かにあった。

次の年、僕はPTA会長になった。ノルマで夏祭りにアリバイ的な店を出すのは嫌だったし、ノルマで店番するのも嫌だったので、ちょっと挑発的な提案をした。

PTAの役員会と全委員会で次のような提案をした。

ノルマ作りのためのアリバイ作りのような夏祭りはやりたくない。去年までと同じことをやるなら夏祭りの出店から撤退することも考える。去年の祭りを見て思ったことは、小さい子供たちだけがちょっとやってきて、ほかに客がいないので、出店者同士でノルマのように買取りをお願いして回っている状況だ。いまの夏祭りの問題は、大人が出て来ないこと、小学校低学年しか祭りに出てこないことだと思う。

だから、お客さんを増やすような夏祭りにしなければ意味が無い。とくに大人と中高生が来たいと思えるような出店を考えるべきだ。一部の学区関連諸団体の役員レベルがノルマで顔を出すだけの夏祭りならやめたほうがいい。

で、結局提案したのが、PTAのお店で生ビールをやりたい!というものだった。

PTAとは(Parents& Teachers Association)、ペアレアンツ(親)とティーチャー(教師)の会であって子ども会ではない。子供のために何が出来るかを考える親と教師の会である。
まず、親が来なくちゃ話が始まらない。校長と教頭しか顔を出してくれないんじゃ話にならない。

とにかく親と教師がまず集まる。現状はそれすら出来ていないことにある。とにかく生ビールで釣ってでもいいから、飲みながらでも語り合える場をもうけることから始めてみませんか。とまあ、こんな提案だった。

いろんな抵抗があった。敵は内部にも外部にもいた。PTAで生ビールなんてありえないといった意見や、学区の商店街からは缶ビールが売れなくなるからやめてくれだとか、婦人会からは・・・・とか、子ども会からは・・・とか、ここには書けないが、まあとにかくいろんな抵抗があった。

まあ、学区にも守ってくれる人はいるわけで、PTAにも趣旨を理解してくれる人はいるわけで、小学校の校長先生なんか一緒に盛り上がってくれちゃって、おかげさまで生ビール出店にこぎつけた。

独自のチラシも作った。チラシにはビールの割引券をつけた。PTA会員は安く飲めるというわけだ。中学校にもお願いに行って学区の中学生に配布してもらった。小学校の先生にもチラシを配った。学区関係者にもチラシを配って回った。(なにこれ?なんて受け取りを拒否したご婦人もいたようないなかったような・・・w)

もちろん、子供向けにも駄菓子以外の企画を打った。遊べる企画をということで、バルーンアートをやった。その後、PTA役員会や各種委員会の前後は風船の割れる音が鳴り止まなくなった。
僕を含めPTAの役員は、プードルでも何でも1分もかからずに作れるようになった。特活室から校長室までバルーンアートだらけになった。掃除すると風船の欠片がたくさん出てきた。
校長先生が率先してくれて、校長室は子供のバルーンアート作りの練習場になった。夏祭りに向けて、子供たちのあいだでもバルーンアートがブームになっていった。

夏祭り当日、バルーンアートは盛況だったが、1年目はそれでも生ビールを飲みにきた親は少なかった。割引券に名前を書く欄を作ったせいか、甘い汁(いや、冷たい生ビール)でおびき寄せられて、ノルマでも押し付けられると思ったのか(その後、へたに飲みに行くと役員にさせられるという噂があったことがわかったw)、とにかく生ビールを飲みにきた保護者は少なかった。

2年目。ワールドカップの年だったので、子供向けの企画はフェイスペインティングにした。大人も結構、楽しんでくれた。僕もほっぺたに日の丸を描かれた。
この年、縁台囲碁と縁台将棋のコーナーも設置した。おじさんたちと子供たちのコミュニケーションが始まった。もちろん、生ビールは続けた。去年の経験で、生ビールを飲みに行ってもノルマを押し付けられないと安心したせいか、親の数が増えてきた。

3年目。昔遊びということで、コマやらけんだま、へび花火とか、手から煙が出るなんとかとか、とにかく僕らが子供の頃の玩具をいろいろ揃えてみた。子供向けという狙いもあったが、大人たちにも童心に返って祭りを楽しんで欲しいという思いもあった。
チラシに、「夏祭りらしくたまには浴衣でも着てみては?」などと書いてみた。去年の縁台囲碁を見ていて、あぁ、そういえば浴衣着る習慣がなくなったなぁ。。。と感じたせいもあった。

これが当たった。子供たちが浴衣を着て祭りに来たのだ。それ以来、夏祭りには浴衣を着て参加する子供たちの姿が絶えない。

さて、話が長くなりました。昨日の夏祭りの様子の写真を何枚か載せておきます。ちなみに今夜もあります。w

5時の餅投げから祭りは開始。中高生の浴衣姿が目立ちます。
昨日は37度の暑さだったのですが、徐々に客足も伸びてきました。
盆踊りも盛況です。昔は踊る人がいなくてねぇ。婦人会が怒ってねぇ。。。怖かった(・_・;



8年前は、午後8時を過ぎるとお客さんはもうまったくいなかったのです。

ここ数年は、午後9時の終了時刻を過ぎてもなかなかお客さんが帰ろうとしません。

きっとこれはいいことです。

ここ数年は、本当に中高生の姿が多くなりました。一種の同窓会状態なんでしょうね。

地域でずっと成長を見守っていけるというのはうれしいものです。できれば子供を産むまで祭りに顔を出して欲しいですね。で、子供産んだら、祭りをやる側になってもらうということで。w

ちなみにここは、4000世帯未満、人口8000人程度の名古屋市内ではほんとうに小さな学区です。

今夜もあります。