僕は泣いちゃいました

昨日の打楽器アンサンブル演奏会。最近、年のせいか涙腺がややゆるいのですが、不覚にも涙を流してしまいました。
涙の理由なんて考えるもんじゃないと思いつつ、つい性格上、考えちゃいました。
以下、涙についてのそれなりの客観的分析。

1)岡田知之先生の退職
N響の打楽器奏者として名を馳せた、日本の打楽器界の第一人者である岡田知之先生の最後の名音大での学恩に感謝。本日の演奏会での学生の演出(演奏会終盤のサプライズ企画)も、先生のご指導とお人柄の賜物です。本当に素晴らしい伝統を育てていただいたことに対する感謝の気持ちが涙腺を緩めたひとつの原因だと思います。

2)打楽器アンサンブルの世界
なにはともあれアンサンブルです! アンサンブルの名音を作ろう!と言ったときに、一番最初にアンサンブルを具体化できたのが打楽専攻でした(僕の勝手な認識ですがw)。これが大学全体のリズムを産み出したとすら思っています。

アンサンブル力はもっとも基本的で発展的な音楽力です。
アンサンブルの出来る演奏者、アンサンブルを創れる演奏者、アンサンブルが好きな演奏者を生み出すこと。その触媒としての打楽器専攻は、大学全体のリズムを作ってきてくれているんだと勝手に感謝しています。その伝統が根付いてきたことへの感動。これが涙の二つ目の理由。

3)学生・院生の自発性
打楽器専攻(コース)の自発性はすごい。最初は先輩に強制されつつ、気が付けば自発的になっているところがすごい。創発性の高い、その意味で生産性の高い専攻(コース)だと勝手に思っています。
学生・院生の度量が育っていること。入学時からの成長の度合いのすごさ。それを産み出す先輩後輩関係の素敵さ。これが三つ目。

4)21世紀の音楽
今回が6回目の打楽器アンサンブル。もちろんガムラン、スカルサクラはじめとして、過去にもいろいろな実績はありました。でも、アンサンブル企画として、2002年度から始まったことの意味。これを重視したいと思います。ぜひ21世紀の音楽をさらにリードしていただきたい。というよりも、21世紀音楽のリズムをしっかりととっていただきたい。



まあ、あんまりたいした分析になっていませんが、僕個人の感動の涙の理由はたぶんこんなところです。

いい音楽の背後にある、いろいろな蓄積と営み。そして、その伝達と発現。


一朝一夕で成り立つものではないところに成り立っているんだということくらいは理解しておきたいと思ったりします。